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お客さまは「社員が幸せな会社」のファンになる

少し前のことですが、テレビを見ていて、
すごく感銘を受けたエピソードがありました。

「お客さまの満足は、従業員の幸せから」

というお話です。

今日は、とあるホテルとお菓子屋さんのエピソードから、
「お客さまの心をつかむ社員」の育て方について考えていきます^^

赤字から1年で黒字に!その方法とは

これは、名古屋のとあるホテルに、
新しく着任した支配人のお話です。

支配人がこのホテルに着任した時、
ホテルの経営は赤字続きで、
人員を削減しなければならないほどの窮地にありました。

従業員たちのモチベーションも下がっていて、
このままでは倒産の危機。
大至急、経営を立て直さなければなりません。

そこで支配人がまず着手したのが、
「従業員の心を立て直す」こと。
なんと、“従業員を楽しませること”から始めたのです。

普通であれば、こんな経営難の時、
社内でのコストはできるだけ削減しようとするはず。
しかし、支配人の考えは違いました。

支配人が何よりも優先したのは、従業員のこと。
「日本一幸せな従業員が働けるホテルにしたい」
それが、支配人の想いです。

なぜなら、自分が「楽しい、幸せだ」と思えなければ、
“本当の笑顔”にはなれないから。
「従業員の“本当の笑顔”が、お客さまの信頼に繋がる」というのです。

支配人が「従業員の心を立て直す」ための施策を始めるや、
なんとホテルは1年で黒字化。
それ以降は、毎年黒字が続くようになりました。

一体、この支配人はどんなことをしたのでしょうか?

 

支配人の主な施策は、大きく分けるとこの二つです。

1. 従業員が幸せになる工夫をする
2.「ちゃんと見ている」と伝える

詳しく見ていきましょう。

 

1. 従業員が幸せになる工夫をする

“本当の笑顔”が出る時、それは、
「心から楽しいと思える時」です。

ですからまず、支配人は古かった従業員食堂を改装して、
従業員たちが過ごしやすい空間をつくりました。

それから毎月、誕生日の従業員たちをホテルのレストランに集め、
フルコースでお祝いをするようにしたのです。

支配人は、
どうしたら従業員たちが楽しめるか?笑顔になれるか?
それを一番に考え、色々な工夫をこらしました。

その効果があって、
仕事に楽しみができた従業員たちのモチベーションは、
徐々に上がっていったのです。

2.「ちゃんと見ている」と伝える

モチベーションが上がると、
仕事に対する姿勢が変わります。

そこで支配人は、従業員たちの仕事ぶりに対して、
あることをするようにしました。
それは、

・従業員一人ひとりの長所を見つけ、伝えること。
・従業員の良い行いに対して、感謝の気持ちを伝えること。

文字にすると簡単なことのようですが、
実践するとなると、楽ではありません。
全ての従業員をしっかり見ていなければならないからです。

支配人は、その場で本人に伝えるだけでなく、
毎月、従業員たちを手作りの賞状で表彰しました。

こうして言葉にして伝えられると、従業員たちは
「いつも見てくれている」という安心感や、
「必要とされている」という貢献感を得られます。

だからこそよりいっそう、
「お客さまのため」、「会社のため」に働こうと、
やる気が出てくるのです。

お客さまは、誤魔化せない

近年では、どのホテルも、
サービス自体にはほとんど差がなくなってきました。

同業他社が多い中で、
「どうしたら選ばれるようになるのか」と考えると、
最後はやっぱり「人」ではないでしょうか。

ホテルのクチコミサイトを見ていると分かりますが、
“部屋への不満”は「この値段なら仕方ない」と耐えられても、
“従業員への不満”があると「次は利用しない」という方が多いです。

いつも笑顔で楽しそうに、お客さまのために働いている従業員。
“やらされて”働いていて、貼り付けたような笑顔の従業員。
接客を受ける側からは、この違いはなんとなく分かってしまうもの。

これはサービス業だけでなく、
どんな業種でも言えると思います。

本当に「お客さまのため」に働いている人の笑顔は、
お客さまの心に響きます。

だからこそ次もまた選んでくれて、
他の人にも紹介してくれる。

こうして従業員の“本当の笑顔”は、
お客さまの信頼へと繋がっていくのです。

このホテルは、老朽化にともなう閉館まで、
7年連続黒字、客室の年間稼働率94.1%という
脅威の数字を打ち立てたそうです。

 

この支配人と同じような理念を持つお菓子屋さんが、
静岡にあります。

このお菓子屋さんの社長の理念は、
「社員が幸せを感じる働き方が、お客さまの満足に繋がる」
ということ。

地元で愛され、県内に17店舗展開しているこのお菓子屋さんにも、
社員が“本当の笑顔”になれるこんな工夫があります。

1. “アナログ”なコミュニケーションツール
2.「ありがとうカード」で感謝を伝えること

こちらも詳しく見てみましょう。

 

1. “アナログ”なコミュニケーションツール

この会社では、社員が毎日発信する手書きの「デイリーニュース」や、
社長が給料袋にいれる「社長通信」など、
さまざまなアナログツールがあります。

日々お客さまから頂く喜びの声や、厳しいご意見、
他店舗ではどんな出来事があって、
社長は今、どんなことを考えているのか。

そういったことを、会社全体で共有できる仕組みです。

みんなが共有するから、コミュニケーションが生まれ、
良いことも悪いことも共有するから、効率良く仕事ができます。

他にも、誕生日カードや「ありがとうカード」といったツールで、
お互いに普段から密にコミュニケーションをとりあって、
楽しく仕事をしているそうです。

中でも「ありがとうカード」は、
社員のモチベーションを上げる重要なツールだそうで、
ただ渡すだけではない“変わった工夫”があります。

2.「ありがとうカード」で感謝を伝えること

この会社では、社長から社員まですべてのメンバーは、
他の人が良い行いをしているのを見たり、長所を見つけたら、
「ありがとうカード」で伝えるようにしています。

カードは複写式なので、カードをあげた後にも、
転写されたものが自分の手元に残ります。

この仕組みが優れているのは、もらったカードだけでなく、
自分で書いたカードも後から見返すことができること。

人間の脳は、たとえ他人に向けた言葉だとしても、
自らが発した言葉はすべて「自分への言葉」として認識するのだそう。

ですから、他の人へ渡したカードの言葉も、
「自分への言葉」として返ってくるのです。

そしてさらなる驚きの工夫は、
この「ありがとうカード」はもらった人ではなく、
“多く渡した人”が表彰されるということ。

たくさんカードを渡したということは、
それだけ仲間のことをしっかりと見ているということ。

このお菓子屋さんの社長は、
「『ありがとう』を言い続ける人が幸せになれる。
 人の長所を見つけることが、幸せに繋がる」と信じています。

社員一人ひとりが「幸せを感じる働き方」をするから、
それがお客さまの満足に繋がっていくのです。

社員の幸せが、お客様の幸せに

両社に共通するのは、

・社員を楽しませる工夫があること
・長所を見つけ、伝えること
・ありがとうを伝えること

といったポイントです。

楽しんで仕事ができるから“本当の笑顔”になれます。

「自分を見てくれている」という安心感や、
「必要とされている」という貢献感が、やる気になります。

だからこそ、
もっと「お客さまのため」「会社のため」に
働きたいと思えるようになります。

そしてその心は、お客さまにも伝わっていくのです。

お客さまの心をつかむ社員を育てるために、
まずは、どんな小さなことでも、
感謝を伝えるところから初めてみませんか?

渡辺 絵梨

※この記事は、「Entre Magazine」のバックナンバーから抜粋しています。Entere Magazineの登録はこちらからどうぞ。

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目次

  1. はじめに
  2. 数千社の経営を見てきた専門家が考える「経営が上手くいかない最大の原因」
  3. 優秀な経営者は気づくけど、なかなか実行できない10のこと
  4. あなたの会社の生産性が上がらない2つの理由
  5. システムを導入すべき理由と7つのチェックポイント
  6. おわりに