経営コラム

Amazonは凄い。「2度目の評価」を制するものが、収益を伸ばす

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お客様は「2回」評価する
という言葉を聞いたことがありますか?
1度目の評価は、簡単に想像がつくと思います。
そう、商品の「購入時」です。
お客様は「比較」を通して商品を評価します。
それでは、2回目はいつでしょうか?
実は「このポイント」を押さえていないために、
 「本来上げられるはずの収益」を逃し、
さらにはクレームまで増やしてしまっている会社が多いのです。
どういうことでしょうか?
それを知るためには、まず
 「お客様がどうやって商品を選択しているのか?」を
考えなければなりません。

商品の価値は「いつ」わかる?

商品の購入前、お客様が「比較しているもの」は
次のうち、いったいどれでしょうか?
  1.商品の価格
  2.商品の品質
  3.商品が自分に合っているかどうか
どれも正解であり、また不正解でもあります。
大前提として意識しなければならないのは
商品の「本当の価値」は「使ってみるまでわからない」
ということです。
つまり、購入前にお客様が比べているのは
他の似たような商品と比べて「良さそうかどうか」ということ。
商品が持つ「本質的な価値」を見て、
判断している訳ではないのです。
お客様は1回目の「比較」を通して、商品の購入を決めます。
その後、商品を使用して、価値を実感するのですが、
実はこの時、お客様は「2回目の評価」をするのです。

商品購入後に、どんなフォローをしていますか?

お客様が2回目の評価をするのは、商品の「購入後」です。
この時、お客様が求めるのは
「あれは良い買い物だった!」という「納得感」。
「購入後の納得感が得られるかどうか」は、
お客様のリピートと直結します。
でも、この部分がしっかりと出来ている会社は
以外と少ないものです。
例えば、商品をご購入いただいた
お客様に、こんな言葉をかけていませんか?
「不具合や、お気に召さない点がありましたら、
  いつでもご連絡ください!」
よく聞く言葉だと思います。
でも実は、この言葉が、
クレームを増やしている可能性があります。
どういうことでしょうか?

「マイナス」を増やす言葉、「プラス」を増やす言葉

商品を買っていただいた後に、かけてしまいがちな
「悪いところがあったら、ご連絡ください!」という言葉。
実は、この言葉を受けると、
私たちの脳は無意識に「悪いところ」を探し始めます。
そして、普段ならば目につかないような、
 「些細なマイナス点」に目がいってしまうことがあるのです。
それはつまり「2回目の評価」で
マイナス点を受けやすいということ。
とてももったいないことです。
では、どのような言葉をかけるのが正解なのでしょうか?
「正解」というものは無いのかもしれませんが、
僕には、忘れられない「ある言葉」があります。

心に残る、店員さんの言葉とは…?

表参道駅から大通りを歩き、一本裏に入ったところに、
僕のお気に入りの靴屋さんがあります。
重たいガラス扉を押して、店内に入ると、
右側の棚一面に、様々なデザインの革靴が並んでいます。
実は、この棚に置いてある革靴は全て、
元々「展示用」につくられたもの。
展示期間が終わったものを、
すべて現品限りの「特価」で販売しています。
気に入った靴を見つけた僕は、
それを試着させてもらいました。
試着してみると、サイズはピッタリ!
店員さんも「お墨付き」をくれるほどの履き心地でした。
その場で購入を決め、支払を済ませます。
最後に商品を手渡してもらうとき、
店員さんがくれた言葉が、今でも僕の心に残っています。
 「良い買い物をされましたね」
購入直後に「この言葉」をくれるお店は、多くありません。
でも、この言葉を贈ることで、お客様の脳に「ある変化」が起こるのです。

「良かった理由」を探す、スイッチを入れる

「良い買い物をしましたね」という言葉を受けると、
私たちの脳は、その買い物を「良いものだった」と認識します。
そうすると「良かった理由」を「勝手に」探し始めるのです。
にわかには信じられない話かもしれません。
でも、あなたもこんな経験をしたことがあるのではないでしょうか?
「新しい時計を買った途端に、
  同じ時計をしている人が街に増えた気がする…」
これは「実際に時計をしている人が増えた」わけではありません。
今までは目に入らなかった「同じ時計をしている人」が
目に入るようになったのです。
面白いもので、
このときに、商品にポジティブなイメージがあると、
上手に着こなしている人が多く目に入ります。
ネガティブなイメージがある場合は逆に、
上手く着こなせていない人が目に留まります。
人は「自分の選択は正しかった」と思いたいもの。
「こんな素敵な人も買っているんだ!」と認識することで、
自分を「納得」させようとするのです。

「2回目の評価」がファンをつくる

脳のポジティブなスイッチを入れると、
お客さんは「買って良かった理由」を探し始めます。
「買って良かった理由」をたくさん見つけると、
お客さんは商品のリピーターになってくれます。
実は、会社の売上のほとんどは、
この「リピート購入」がつくっているんです。
マーケティングの大家である、
フィリップ・コトラーも、こんな言葉を残しています。
  「会社の収益の90%は、既存の顧客によってもたらされる」
 「新規顧客を獲得するコスト」と、
 「既存顧客を維持するコスト」では、
後者の方がずっと安価なのです。
あなたの会社では
 「お客様の2回目の評価」に目を向けていますか?
お客様に「商品の悪いところ」を探させていませんか?
購入時の「ひとこと」や、
購入後の「フォロー」が、お客さんをファンへと育てます。
 「2回目の評価」に目を向けて、
自社のファンを増やしていきましょう。
まずは購入後に
 「良い買い物をなさいましたね」と
伝えるところから始めてみてください。

 

先日、Amazonで購入した本が、家に届きませんでした。
調べてみると、郵便局の配達履歴は「配達済み」となっています。
郵便局に電話をして聞いてみると、どうやら配達先を間違えた様子。
しかも窓口の方には「Amazon側に電話してください」と伝えられました。
「え? でも、Amazonはちゃんと郵便局に受け渡しているわけで、
 これは全部、郵便局側に責任があるのでは…?」
そう思いながら、Amazonに電話をかけ、事情を話しました。
「注文した商品が届いていません。
 どうやら、郵便局が誤配達したようなのですが…」
するとAmazonの方はためらうことなく、こう即答しました。
「承知いたしました。再送いたしますね。」
この対応には、さすがに驚きました。
だって、Amazonには全く「非がない」のです。
「良い意味で」期待を裏切られ、
僕の「2回目の評価」は大きく上がりました。
自分に全く非の無い部分を負担する。
送料なども考えると、マイナス部分が大きいでしょう。
でも、僕はきっと次回もAmazonで本を購入します。
その後も継続的に、様々なものを購入するでしょう。
一時的にはマイナスになるでしょうが、この対応によって
僕が生涯の中でAmazonに支払う総額は、大きくなるはず。
お客さんと「末永いお付き合い」をしていくことが、
結局は会社の収益を伸ばすのです。
購入後のフォローをしっかりとしていきましょうね!

 

※この記事は、「Entre Magazine」のバックナンバーから抜粋しています。Entere Magazineの登録はこちらからどうぞ。

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目次

  1. はじめに
  2. 数千社の経営を見てきた専門家が考える「経営が上手くいかない最大の原因」
  3. 優秀な経営者は気づくけど、なかなか実行できない10のこと
  4. あなたの会社の生産性が上がらない2つの理由
  5. システムを導入すべき理由と7つのチェックポイント
  6. おわりに

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