経営コラム

なぜ、その商品は「高い」と言われるのか

よく、スーパーに買い物に行く方なら、
こんな光景を目にしたことがあるかもしれません。

牛乳を買おうと、棚の前に行き、
商品を見ると…

◯ 大手メーカーの製品:188円
◯ PB製品(※):178円

※ PB製品:
プライベート・ブランド。
スーパーが独自に開発している製品のこと。

どちらにしようかと迷ったあなたは、
まず商品を手にとり、成分を見比べます。

結果は、どちらも大差なし。

だからあなたは「安い方」の
PB商品を手にとって、レジに向かう。

誰でも、イメージできる光景だと思います。

でも、ちょっと待ってください。
何であなたは今、PB商品を「安い」と思ったのでしょうか?

「原価と価格」そして、体感値の違い

PB製品は、宣伝・営業費用が必要なく、
卸売り業者も間に入らないため、
大手メーカーの製品に比べて原価が安くつきます。

この場合、原価から計算して大手メーカーの製品と
同じだけの利益をのせると、どうなるでしょうか?

実はPB製品の価格は、
もっと「安くなる」場合が、ほとんどなのです。

つまり、先程の「PB製品:178円」は、
メーカー製品よりも多く、利益がのった値段。

それにも関わらず、私たちは「安い」と感じました。
いったい、なぜなのでしょうか?

人は「何かと比べる」ことでしか、判断ができない

私たちの脳は不思議なもので、
「何かを基準にしないと」判断が出来ません。

値段においても、その判断基準は同じ。

何かを「高い」と思うか「安い」と思うかは、
その人が頭の中で「何と比べるか?」にかかっています。

例えば、カフェで飲む1杯のコーヒー:800円を
「高い」と言う人も居れば、「安い」という人も居ます。

「安い」という人は、その空間で過ごす時間や、
こなす仕事の効率なども含めて、

「空間」や「仕事効率化」というカテゴリーで値段を
比べているかもしれません。

一方で、「高い」という人は、
缶コーヒーやコンビニコーヒーなど、

「コーヒーそのもの」というカテゴリーで
値段を比べているかもしれません。

人は、自分の頭の中で何かを基準にして、
物事の良し悪しを判断しているのです。

つまり、私たちは「ある1つのこと」を
深く考えなければなりません。

思考をカテゴリーに「導く」

商品に対する、価格の「体感値」を
コントロールするためには、

「お客さんが、頭の中で何と比べるか?」を
考える必要があります。

特に、商品そのもの「ではない」カテゴリーに
思考を導けないか? と考えることが効果的です。

例えば、ヨーグルトを販売する場合、
「ダイエット」というカテゴリーに思考を導けば、
体感値が安くなるかもしれません。

缶コーヒーを販売する場合には、
「栄養ドリンク」というカテゴリーに
思考を導くことができるかもしれません。

全く同じ商品を、同じ値段で販売していても、
ポジショニングの取り方と、見せ方で

価格の体感値は大きく変わります。

お客さんに「商品が高い」と
言われてしまう場合、

もしかしたらそれは
「お客さんが比べているもの」を
コントロールできていないことが原因かもしれません。

「お客さんは、頭の中で何と比べているのか?」
ぜひ、考えてみてください。

最後に

週末はお花見に行ってきました。

少し、新芽は出てきていたものの、
桜はまだまだ満開。

温かい日差しの中で、わいわいと談笑しながら、
お酒を片手に話す時間は、とても良いものです。

お花見に参加している中で、僕がおもしろいなぁと
思ったのは、「見た目と評価」の関係について。

主催者がお酒好きだったこともあって、
参加者からは日本酒の差し入れが、たくさんありました。

それらは箱に入っていたり、瓶のままだったり、
様々なウリ文句が書いてあったりします。

高価なもの、そこそこのもの、
味の評価が高いもの、そうでもないものなど、
いろいろなものが集まりました。

それらの中で、どれが一番人気だったと思いますか?

正解は、箱に入り、「限定」の文字が入っていて、
見た目も少し珍しいもの。

味だけを比べるならば、
もっと専門家の評価が高いものもありました。

それでも「限定」という文字に惹かれてしまう。

外からの影響によって、判断基準が変わる。
人間の感覚と心理は、やはり面白いものです。

 

※この記事は、「Entre Magazine」のバックナンバーから抜粋しています。Entere Magazineの登録はこちらからどうぞ。

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