em46  「何のために“会議”ってするんだろう?」

 僕がそのとき、最初に考えたのは「この問い」でした。

 今回は、僕が“あること”をきっかけに「会議の在り方」について考え、
 実践してきた方法を、具体的にお伝えします。

■【0】会議を再定義する ■

 きっかけは、定例会議の進行を全面的に任されたことでした。

  「次回から、会議の進め方は君に任せる。」

 そう言われた僕は最初、とても戸惑いました。

  「会議のやり方なんて、全然詳しくないぞ…?」

 どうしようか…と悩んだのもつかの間、僕はすぐに思い直し、
 この課題とゼロベースで向き合ってみることを決意しました。

 まず最初に僕が考えたのは、次の問いでした。

  「そもそも会議って、何のためにするんだろう?」

 その問いに関する僕の答えは、
  「仕事を“進める”ため」というもの。

 そこからは、芋づる式に問いを考えていきました。

 Q. 仕事を“進める”ためには何が必要?
  →A. 具体的な“行動”を決めること

 Q. “行動”はどうやったら決まる?
  →A. たくさんの“アイデア出し”と“議論”が必要だ!

 ここまで自問自答したところで、
 僕が目指す会議の方向性が決まりました。

 それは

  「会議とは“行動”を決定する場である。」

 というもの。

 それに従って、僕は以下の2つを決めました。

  1. 全ての会議は“行動”を決めるために行う
  2. “情報共有”のための会議は開催しない

 “情報共有の場”をなくして大丈夫…?

 そんな声が聞こえて来そうですが、
  「会議の最中に情報共有の時間をとらないこと」も、
 実は大きなポイントなのです。

 詳しい理由は、後ほど詳しくお伝えしますね。

 また、“そういう場”は、
 どんなに禁止しても次々と立ち上がってくるもの。

  「根絶する」くらいの気持ちで取り組んでいて、
 ちょうど良いのではないかと思います。

 では「“行動”を決める会議」を実現するためには、
 何が必要なのでしょうか?

 僕はまず、「事前の準備」を設計しました。

■【1】事前の準備 ■

 会議の場は「練習」ではなく「本番」です。

 全員が限界まで頭をひねり、多くのアイデアを出し、
 最も有効な行動を決定する場が「会議」なのです。

 そういった場をつくるためには、
  「事前の準備」が欠かせません。

 僕が主催する会議では、
 必ず事前に、以下の項目を決めます。

 [事前に準備する項目]
  A. 会議テーマの設定
  B. 会議ゴールの設定
  C. 事前資料の共有
  D. 事前に考えて来ることの共有
  E. タイムラインの設計

【A. 会議テーマの設定】

 会議は必ず「1会議1テーマ」で行います。
 テーマが複数ある場合は、その数だけ会議を設定しましょう。

 このときには、テーマを「大きくしすぎない」ことが大切です。

 不思議なもので人間は、テーマが大きすぎたり、漠然としていたりすると
 アイデアが浮かびづらくなってしまいます。

 例えば「売上を上げる方法」というテーマだと、
 アイデアが出て来ません。

 もっと絞り込んで

  売上を上げる方法
  →◯◯という商品の売上を上げる方法
   →◯◯という商品の露出先を増やす方法
    → …

 というように、テーマは小さく設定しましょう。

【B. 会議ゴールの設定】

 ゴールも明確に設定します。

  「何を決める会議なのか?」を
 きちんと定め、事前に参加者に共有しましょう。

 そして、1つの会議をなるべく短く終えることを考えます。

 1時間を越える長時間の会議は設定せず、
 話す内容が無くなれば、予定時間まで余裕があっても
 会議を終了します。

 ※3時間の会議などをする場合は、
  1時間の会議×3などに分割してみてください。効率が全然違います。

【C. 事前資料の共有】

  「会議に必要な資料」や「見ておいて欲しい情報」は
 事前に共有します。

 とにかく、会議中に「情報共有」の時間を
 つくらないようにしましょう。

【D. 事前に考えて来ることの共有】

 会議の場は「本番」です。

 その場で出たアイデアが、参加者の頭を刺激し、
  「1人では出せない結果」を生むことに、会議の意味があります。

 ですから「その場に至ってから考え出す」のでは、
 せっかくの会議の時間がもったいないのです。

 あらかじめ「各自で考えられる限界」までは考えておいて、
 それを吐き出すところから始めましょう。

【E. タイムラインの設計】

 もうひとつ重要なのが「タイムライン」をつくることです。

 会議全体の時間をどのように使うのか?を
 あらかじめ設計しておきましょう。

 例えば、以下のように設計します。
 これは、私たちが朝に行っている会議のタイムラインです。

  7:30~7:35(5分)  課題点の共有
  7:35~7:40(5分)  テーマの確認・背景の共有
  7:40~8:10(30分)ブレスト・意見出し
  8:10~8:25(15分)会議をまとめ始める
  8:25~8:30(5分)  決まったことの確認

 このような準備をした上で、
 会議の当日に挑みます。

■【2】会議の本番 ■

 実際の会議では、次のことを実践します。

 [会議本番で実行すること]

  A. 会議ルールを徹底する
  B. ホワイトボードを使う
  C. 会議の注意点

 ひとつずつ、見ていきましょう。

【A. 会議ルールを徹底する 】

 僕が行う会議では、次のようなルールを設定しています。

 ・情報共有に時間は割かない。
  →予め見てきてください。

 ・話すことがなくなった時点で会議を終了。
  →必ずしも定時まで開催しません。

 ・スタンディング(立ち)で実施。
  →議事録係のみ、着席可能です。
  (“立ち”でやるとアイデアが出やすくなんです!試してみてください。)

 ・議事録係以外はPCの持ち込み禁止。
  →“頭をひねる”ことに集中するため、気が散る原因になるものを無くします。

 ・発言をしないなら、来ないでください。
  →会議は任意参加です。
   ただし、この場で「意思決定」をします。
   決まったことには従うこと。嫌なら出席して意見を出してください。

 ・基本的に「否定」は禁止。
  →否定をするのであれば、必ず代案を出してください。

 ・あいまいな表現を禁止。
  →「たくさん」「いっぱい」「なるはや」など、曖昧な表現を禁止します。
   きちんと数値、もしくはデータを提示してください。
  (その場では厳密に示さなくてもOK。その場合は会議後に提示。

 ・「行動」まで落とし込む。
  →「誰が」「何を」「いつまでにやるか」まで落としこんで終了とします。

【B. ホワイトボードを使う】

 会議はホワイトボードに書きながら進めていきます。

 今回は書き方については詳しくお伝えしませんが、
 ポイントは次の3つです。

  1.全員の発言を漏らさず書く
   →ボードは発言を「受け止める」役割を果たします

  2.1会議を1ボードにまとめる
   →まとまりきらない場合は、会議時間が長すぎる可能性が高いです

  3.ファシリテーターが書く
   →書き手を別につくると、会議を進めづらくなります。

【C. 会議の注意点】

 会議を進める上では、次の点に注意してください。

1  アイデアの「数を出す」時間と「絞り込む」時間を区別する

   →「数を出す」時間は否定禁止。
    とにかく「量」を出すことを心がけます。

    そのあとで、アイデアを「絞り込む」時間を取って、
    良し悪しを選別していきます。

    この「今、何を考える(発言する)時間?」を、
    ファシリテーターがきちんと示すことが、とても重要です。
  

2.ファシリテーターが時間を測る

   →会議の主催者がファシリテーター(会議の進行役)を努めましょう。

   →タイマーを手に持ち、時間を図りながら進めてください。
    時間内に最大の成果が出せるかどうかは
    ファシリテーターの進行にかかっています。
  

3.必ず“行動”を決める

   →これが、とても重要です。
    最後は必ず「誰が」「いつまでに」「何をするのか」を決めます。

    時間内に決定しきれない場合は、
    必ず「その場」で“次回の会議日程”と“考えてくること”を決定します。

 会議が終わったら、
 もうひとつだけ、忘れずにやっておくことがあります。

■【3】事後の共有 ■

 会議の終了後は、参加者の全員に
 メールで議事録を共有します。

 このときに会議で使ったホワイトボードの
 写真を撮り、一緒に添付しましょう。

 このサイクルをつくることで、
  「あれ?何をやればいいんだっけ?」ということがなくなります。

***

 ここまでで、1つの会議が終了します。

 後は、決められた“行動”を実行し、
 その結果に応じて、また会議を開催していきます。

 どんな仕事でも、その中身は
  「議論→決定→行動→振返り→議論…」のサイクルで進んでいくもの。

 会議の効率が変われば、仕事の速度が大きく変わります。
 今回ご紹介した内容を、ぜひ一度、実践してみてください。

黄塚 森

※この記事は、「Entre Magazine」のバックナンバーから抜粋しています。Entere Magazineの登録はこちらからどうぞ。

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目次

  1. はじめに
  2. 数千社の経営を見てきた専門家が考える「経営が上手くいかない最大の原因」
  3. 優秀な経営者は気づくけど、なかなか実行できない10のこと
  4. あなたの会社の生産性が上がらない2つの理由
  5. システムを導入すべき理由と7つのチェックポイント
  6. おわりに