固客化

「固客化」の事例

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固客化とは、顧客に継続的にお付き合いしてもらう活動。つまり、リピーターを作る活動のことです。

今回は、固客化を行わなかった結果倒産してしまった企業と、固客化を行い急成長した企業の事例をご紹介します。

どちらの事例も、実在する企業をモデルにしています。事例を見て、固客化の重要性を実感して頂ければと思います。

1. 固客化を行わなかった結果倒産したA社

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株式会社A社は、女性向けファッション通販サイトを運営する、ECサイト運営会社です。20~40代の主婦層をターゲットにしたファッションを取り扱い、顧客単価は2000~3000円。1000円以下で販売する商品も数多く取り扱い、低価格をウリにしていました。

その低価格戦略が成功し、一時は売上高が10億円を突破したことも。ECモールで、最優秀店舗賞を受賞したこともありました。

順風満帆に見えたA社の経営。しかしわずか2年後、A社は倒産してしまいます。

なぜ、A社は倒産してしまったのでしょうか?理由を探るため、まずはA社が運営するECサイトの特徴を見てみましょう。

A社の特徴

・商品は海外で大量生産されたものばかり

・確認メールは商品発送時のみ。アフターフォローは一切なし

・レビュー(口コミ)数は毎回10件以下

・商品を届ける際の梱包は最低限

・web広告とECモールへの出品で新規顧客を獲得

A社は「低価格」をウリにし、海外で大量生産された質の低い商品を扱っていました。商品購入後のアフターフォローや梱包は最低限で済ませることで、他社よりも安く売ることがモットー。ファンもリピーターもつきませんでしたが、web広告とECモールへの出店で新規顧客獲得に励み、安さを武器に顧客を獲得。収益をあげていました。

Zeitung Financial Times / newspaper financial times

なぜA社は倒産したのか

そんな中、アベノミクスによる円安の影響で、海外からの仕入れコストが増加してしまったことから、悲劇は始まります。値上げしようにも、ECモール内での低価格競争が激化。これ以上価格を下げられない状況に陥っていました。

さらに、新規顧客を獲得するためのweb広告費やECモールへの出店料が経営を圧迫。ECサイトの更新をストップせざるを得ない状況になり、ついにA社は倒産してしまいました。

「低価格」を売りにし、ブランディングやアフターフォローを全く行わなかった結果、A社のECサイトにはファンもリピーターもつきませんでした。その結果、A社は他社との低価格競争に巻き込まれ、円安による仕入れコストの増加をきっかけに倒産してしまったのです。

次に、固客化に取り組んだ結果、急成長した会社の事例を見てみましょう。

2. 固客化を行った結果急成長したヤッホーブルーイング

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ヤッホーブルーイングは、「よなよなエール」や「水曜日のネコ」といった一風変わったビールを販売している会社です。現在急成長中の会社で、売上は前年比40%増を記録しています。

商品だけではなく、社風もとってもユニーク。社員全員がニックネームで呼び合い、広報担当は「よなよなエール広め隊」、人事・総務は「ヤッホー盛り上げ隊」など部署名も変わっています。

しかしそんなヤッホーブルーイングも、かつてはテレビCMを打つなど、商品を「売ろう」とするマーケティングを行っていたことがありました。しかしビールは売れず、ヤッホーブルーイングは赤字を計上し続けます。

それでは、ヤッホーブルーイングはどのように赤字から脱し、急成長できたのでしょうか? 理由を探るため、ヤッホーブルーイングが行った「固客化」戦略を見てみましょう。

3. ヤッホーブルーイングの固客化戦略

100人に1人でいいからファンになってくれる商品作り

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ヤッホーブルーイングで作っているビールは、コンビニやスーパーで売られている一般的なビールに比べて価格が少し高めに設定されています。それでも「よなよなエール」や「水曜日のネコ」、ローソン限定商品の「僕ビール、君ビール」は大ヒット商品になりました。

価格が高くても愛される理由は、「100人に1人でいいからファンになってくれる商品作り」にあります。

ヤッホーブルーイングでは、ビールの缶のデザイン、商品のネーミング、味など、商品をこだわり抜いて作り上げています。

有名メーカーのビールの隣に、多少値段が高いけれど、ネーミングも缶のデザインもこだわりを感じさせるビールがあったとしたら、ちょっと試してみたくなりませんか?すると、何人に一人かは、そのこだわりのビールを探してくれるようになるのです。

このように、100人のうり99人が「いつものビールでいい」と思う中、一人が「あれじゃなきゃダメだ」と思ってくれるような商品力。これが、ヤッホーブルーイングにファンが多い一つの理由です。

既存客フォローの仕組み

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ユーザーがビールだけでなく会社のファンになってくれるのも、ヤッホーブルーイングの特徴です。ユーザーが会社のファンになってくれるのは、ユーザーと会社の距離が近いから。例えば、ヤッホーブルーイングではこのような既存客フォローを行っています。

・社長自らメルマガを執筆。会社で起こった面白いネタなど、読んでいて楽しい話題をシェアしている

・ビアバーで社員とファンが触れ合う「宴」を開催

・ファンが増えた後も、ネット上で新製品発表に合わせて飲み会を開催。全国のファンと交流

このように、お客さんとの接点を増やし、社員とお客さんが直接触れ合える機会を作ることで、ユーザーは会社のファンになるのです。

ファンがファンを呼ぶ仕組み

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ヤッホーブルーイングでは、自社商品をリピートしてくれていて、しかも魅力を人に広めてくれるユーザーを「伝道師」と呼んでいます。

伝道師を生むために、ヤッホーブルーイングでは抽選で選ばれたファン数名に「1日醸造士」を体験してもらうという施策を行っています。

座学からスタートして麦汁絞り、仕込み、テイスティングまで行い、出来上がったビールは実際に販売するというこのプログラムは、長野県佐久市の醸造所で行う本気っぷり。

この施策によって、ファンはヤッホーブルーイングの魅力をより具体的に、多くの人に広めてくれるのです。

4. まとめ

以上、固客化を行わなかった会社と固客化を行った会社を比較してご紹介しました。

固客化を行わなかったA社は、他社との価格競争に負けて倒産してしまったのに対し、固客化を行っているヤッホーブルーイングは、ファンとの絆が深く、順調に業績を伸ばしています。

このように、固客化はあなたの会社の収益を安定させるために必要不可欠な戦略です。あなたの会社では、顧客をリピーターにする仕組みができていますか?もう一度チェックしてみてください。

→次の記事へ 4.「「固客化」の実践―「CLVマネジメント」入門」

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