見える化

「見える化」5つの視点

mieruka 4前回記事までは、見える化とは何か見える化で企業の未来がどう変わるか見える化に取り組まないとどうなるか、など見える化の意義に関して解説してきましたが、今回記事からはいよいよその実行方法へ踏み込んでいきたいと思います。

見える化と言っても様々あることは以前にも述べました。今回はすべてを網羅せず、最も重要でいち早く取り組むべき、「お金の見える化」に焦点を絞っていきたいと思います。

お金の見える化

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会社にとって、お金が全てです。お金が会社を動かし、成長させ、お金がないと、倒産します。社内のあらゆる活動に、お金が関わってきます。

財務三表を見える化するだけでは、「お金の見える化」を達成したとは言えません。見える化は、「問題を発見し解決するため」のものでもあります。お金の流れの中にある、会社に危機をもたらす「問題の兆候」を、これから紹介する5項目を見ることで、いつでも発見できるようになりましょう。もしあなたが経営に携わる立場であるのなら、この項目を今把握できる状態にあるのか、確認してみてください。

具体的な施策、方策に関しては次回記事で見ていきます。

1. キャッシュ状況の見える化

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一番初めにこの項目を持ってきたのには、理由があります。それはキャッシュが一番大切だからです。その理由は2つあります。

会社の生命線だから

キャッシュがなくなれば、いくら利益を出していても、会社は潰れます。逆に大赤字でもキャッシュがあれば会社は存続します。

最も流動性の高い資源だから

キャッシュはほとんど全ての経営資源に交換可能です。不動産などは資産性が高いように見えますが、短時間で他の経営資源に変えることはできません。環境は変化します。その変化に適応するためには、柔軟な経営判断をする必要がありますが、そのために流動性の高いキャッシュが必要となります。

経営している立場であれば、キャッシュを増やすことがいかに難しいことが分かると思います。キャッシュの多さを指標の一つとして持っていれば、ちょっと利益が出たくらいで、経営が甘くなったり、利益ベースのみで経営判断をすることはなくなるでしょう。

キャッシュが最も流動性の高い資産ですが、他にも流動性の高い資産はあります。会社がそれらの資産をどれ程持っているのか、「バランスシートの見える化」によって現金化しやすい資産がどれ程あるのか、把握しておきましょう。

2.利益構造の見える化

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売上がどれだけあるかは関係ありません。粗利益がどれだけあるかです。会社を存続させることにおいて、利益はお金の次に大切なものです。

売上を2倍にしても、粗利益が2倍にならなければ全く意味がありません。売上を2倍にするために、設備投資をして、営業人員を増やし、労働時間を延ばしていては、固定費、変動費も2倍になってしまい、結局粗利益は変わらなかった、なんてことは社員の士気のためにも、避けなければなりません。

利益構造を見える化しておくことで、自社がどういった固定費をもっていて、何をしたらどのくらい費用が増えるのかを把握し、誤った経営判断を下さないようにしましょう。

売上を経営判断の基準とすることにはもう一つ危険があります。前記事の「黒字倒産」にも強く関連しますが、売ることに集中しすぎて、支払いを受け取れていないという状態に陥る可能性があります。いつまでに顧客が入金してくれるのか、未入金はどれほどあるのかなどを見える化し、「売ればいい」というスタンスを取らないようにしましょう。

3.変化の見える化

 

mieruka a2 8ここでいう変化は、数字の変化のことです。おかしな話ですが、数字の変化は数字を見るだけでは分かりません。数字の表だけみて指標の増減が感覚的につかめる人は、ほとんどいないと思います。数字の変化を顕在化するためには、「グラフ」を作らなければなりません。

そうです、そんな単純なことなのです。しかし、皆さんは社内にあるあらゆる数字の表をグラフ化できているでしょうか。数字を打ち込んだらグラフとして、瞬時に見える仕組みがあるでしょうか。もうアナログの時代は終わりました。電子システムは信用ならないからと言って、今でも会計情報を紙に記録して保管している会社は少ないと思いますが、EXCELに記入して終わりにしている会社はまだ多いようです。見える化の実践において、数字の記録は「変化が見える」ようになるまでです。

問題の所在は、変化に現れます。長期スパンで見なければ分からない変化や、短期スパンで細かく見なければ見逃してしまう変化もあります。そしてその変化が異常かどうか、想定内であるのかどうか、判断しましょう。

タイムリーな数字の変化を瞬時につかめるシステムはありますか?

4.在庫(棚卸資産)の見える化

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特に、有形財を扱っている会社にとって在庫はお金と同じくらい大事なものです。そのため在庫管理をしていない会社はほとんどないでしょう。もししていないのであれば早急にとりかかってください。在庫管理も立派な「在庫の見える化」の一つです。何がどれだけあるのか、一目でわかるようにしておきましょう。

しかし、在庫管理だけが「在庫の見える化」ではありません。販売管理と強いつながりがありますが、「いつ、何が、どれくらい減るのか、増えるのか」を把握することも在庫の見える化にとって重要なことです

業界によって、在庫管理にかかるコストは様々ですが、理想の形は、「売れるものが売れるだけ置いてある」ことです。在庫の増減を見える化し、より効率的な仕入れをしましょう。

5.部門・社員ごとの見える化

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会社が成長すると、人員数や部門数が増えていきます。この記事で書いてきた、4つの視点は、社員・部門ごとにもあてはまります。規模が大きくなるにつれ、社員一人一人の「経営に参加している」という意識も薄くなっていきます。自分の活動と企業の利益の関連性が弱くなり、自分が経費として使うお金が会社のキャッシュを減らしているという意識も薄れていくでしょう。

部門ごと、社員ごとに見える化を行い、それぞれがそれを見られる状況にすることで、経費の無駄が減り、業務の効率が上がります。また、昨年の自分や自分の部署と比較することで、利益アップへのモチベーションも上がることでしょう。

マクロだけでなく、ミクロなお金の見える化によるお金の節約は、額は小さくてもトータルでは会社の大きな財産となるでしょう。

終わりに

以上の5つの視点を持てば、お金の見える化を実践できます。お金の見える化に取り組み、問題を早期に発見し、より健全で効率的な経営をできる仕組みを作りましょう。

次回は具体的な実行方法を紹介します。

参考文献:著者 小山昇「経営の見える化」(中経出版)

→次の記事へ 5.「「見える化」の実践―5つの取り組み」

「優秀な経営者は気づくけど、なかなか実行できない10のこと」

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目次

  1. はじめに
  2. 数千社の経営を見てきた専門家が考える「経営が上手くいかない最大の原因」
  3. 優秀な経営者は気づくけど、なかなか実行できない10のこと
  4. あなたの会社の生産性が上がらない2つの理由
  5. システムを導入すべき理由と7つのチェックポイント
  6. おわりに

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