SFA

知識ゼロからはじめるSFA③【よくる失敗と対策】

sfa 失敗SFA(Sales Force Automation=営業支援システム)とは、営業マンの活動履歴を記録したり、営業活動からの売上予測を立てたり、営業マンのパフォーマンスを評価することができる、”営業活動を最適化させる” ためのシステムです。

SFA導入のメリットに関しては上記の記事で詳しく説明していますが、一言で、SFAシステムは、「最適な営業サイクルを確立し、安定した収益につなげることが可能になります。

会社を飛躍的に成長させるSFAシステムですが、実はそのシステムを導入してもイマイチ効果が出ない例、上手く使いこなせていない例が数多く見られます。今回はSFAシステムの導入に失敗するケースとその要因を7つ紹介して、失敗に陥らないために重要な5つの視点について紹介します。

失敗に学び、成功を引き寄せよう

SFAシステムの導入は数ある業務システムの中でも特に失敗が多いと考えられます。というのもSFAは営業管理のためのツールですが、他部署と比較して営業は基本的に外回りをしているので管理がしにくいです。個人で数字ができていると営業としての自分の能力に自信を持ち、会社に管理されたくないと考えるタイプの営業担当も存在します。これらの社員は会社の意向を十分に汲み取ってくれずSFAの導入に協力してくれない場合があります。

 

SFA導入でよくある失敗とは

思っていた効果が発揮されない

何かを期待して、SFAシステムを導入したにも関わらず、効果が出ないと感じる企業は多くあります。まず前提として、何のためにSFAを導入するのかと、明確な目的を持っていない企業が多いようです。その他、SFAシステムを最大限に活用できない原因を見てみましょう。

データを有効活用できていない

システムを導入する最も大きなメリットの一つは、データ管理とその分析ができるようになることです。しかし、がむしゃらにデータをシステムに打ち込んだら良いというわけではありません。

業界・業種に関わらず、どんな場合においても重要なデータは存在しますが、企業ごとに、営業成功、顧客獲得のために重要となるデータの種類は異なります。SFAを利用し始める前に、時間をかけて、どのようなデータを使うか明確にしましょう

具体的には

①どんなデータを②誰が③どのタイミングで④どうやって利用したら⑤どのような効果を発揮するか

の5つです。

SFAをマーケティングツールとして活用

SFAシステムはマーケティングのためのシステムではありません。しかし、50%以上の企業がSFAシステムにマーケティング効果を期待しているという調査が出ています。

マーケティング効果を期待し、このシステムを導入したのなら、効果を実感できなくて当然です。メール配信やセミナーの申し込み受付などのマーケティング活動の自動化のためには、SFAシステムではなく、マーケティング・オートメーションツールが必要です。見込み客の発見には、MAツールに加え、CRMシステムが必要です

営業社員の反発に合う

営業社員の反発に合った結果、SFAシステムの利用をやめざるを得なくなったという例は無数にあります。反発に合う要因、反発に合った結果、どういう影響が出てくるか見ていきます。

社員がシステム導入後の新体制に移行せず、コスト倍増

営業社員には、従来の成功が保証されている業務フローが根付いています。特にベテランの社員にとっては、SFAシステムを活用した新しい業務フローに移るために、その従来のルーティンを変えることには、心理的に大きな壁があります

結果として、システムを活用すれば無用となる業務をし続けることになり、無駄に時間的コストがかかってしまいます。

今一度、営業社員全員に、SFAシステム活用によるベネフィットを伝え、ディスカッションを重ね理解を深めましょう。その結果、新しい業務フローを作り上げ、浸透させることができます

データ入力が仕事として定着しない

SFAシステム活用のために最も重要なものは、「データ」です。データを分析したり、そこから最適な行動を提案するのはSFAシステムの仕事ですが、元となるデータをシステムに入力するのは営業社員の仕事です。

しかしこのデータ入力という作業は、一歩間違えると営業社員の大切な時間を大きく喰ってしまう作業になってしまいます。このデータ入力のために時間を取るせいで、見込み客とのコミュニケーションの時間、メール送信など顧客へのフォローアップの時間などが削られ、結果として顧客が減ってしまうという元も子もない事態に陥る可能性があります。

解決策として最も有効なものは、「業務プロセスの整理」です。どの段階で、どうやってデータを入力するか。業務フローを洗い出し、整理するかしないかでは、その業務全体にかかる時間は半分にもなり得ます。もしアシスタントがいれば、データ入力などのコアではない業務はその人に任せましょう。

データ入力にはもう一つ、壁があります。それは、営業社員は自らが持つ、名刺や人脈、訪問記録などのデータを、自分を「デキる営業マン」にするための私有財産と考えている方が多いという事実です。ここへの解決策は後の項目に挙げています。

社員がSFAを有効に利用できない

SFAを導入したのにもかかわらず、なかなかSFAが定着せず、結局システムを利用することをやめてしまうという事例が多く見られます。なぜ営業社員が「SFAを使えない」という事態に陥ってしまうのか、原因を3つ挙げます。

現場の声を聞かずに導入

導入前の段階として、そもそもSFAシステム導入をIT部門や管理部門が主導で行ったため、営業部があまり関与していないという例があります。

多くの場合、SFA導入を推進する社員と実際に日々使っていく社員は異なります。結果、現場社員からしたらあまり実践的でない理想を元にSFAが導入されてしまうことで、「使えない」システムとなってしまいます

地に足ついたシステム活用のためにも、営業社員を中心に導入計画を立て、ニーズを反映しましょう。導入前から、プロジェクトに参加してもらうことで、SFAへの理解も深まります。

社員にSFAシステムを活用できない、活用する意識がない

新システムを導入するというのは、会社、部署にとって非常に大きなことです。なぜなら今までの業務フローが一新される場合がほとんどであるためです。それにも関わらず、導入後簡単な使い方の説明だけでは、上手くSFAシステムを活かせない、場合によっては以前よりも生産性が下がるという事態に陥ってしまいます。

このシステム導入による変化に社員を対応させるための一番の鍵は、「経営者」の存在です。経営者自ら、システムをフルに活用するための、社内文化づくり、社員の意識改革に、身を乗り出しましょう

また、SFAシステムの使い方講座や成功事例の紹介、上手く使いこなしている社員による知識共有など、いくつかの研修を実施することが、営業部門のSFAシステム有効活用に大きく影響を与えます。

社員のITレベルが低いまま放置

情報社会とさんざん言われている、現代でも、意外と人々のITリテラシーは低いものです。勉強しろ、使いながら学べ、と突き放さず全面的なサポート体制を築きましょう。

ITリテラシーが低い社員程、ITシステムを活用出来なかった時の、モチベーション低下、システムへの反発は大きいものです。導入直後は、IT部門との連携を強め、すぐに質問できるような環境を作りましょう

3.導入を成功させる5つの視点

以上のように7つの失敗するケースについて説明しました。SFAシステムの導入に失敗する事例は本質的に社員がデータ入力に消極的だったり、SFAツールによって業務改善しようという現場の意識が存在しなかったりすることから発生します。

つまり、社員がデータ入力して、そのデータを入力する気さえあれば大抵の失敗は防ぐことができるのです。では、どのようにすれば失敗を防げるのか5つの視点から説明します。

 

管理職をきちんとグリップしているか

会社の規模にもよりますが、いちいち社員一人一人にSFAの重要性を説明して、きちんとやっているかを経営者や経営管理などが管理していると現場は回りません。また、導入当初にきちんと説明して、社員をやる気にさせても実際に導入してしばらく運用していると、当初の気持ちを忘れて面倒くさいなと思ってしまいます。

SFAの導入で抑えるべきは営業一人一人でなくて、営業管理職です。SFAシステムの導入で一番業務量が増えるのは、データを管理、分析する営業管理職です。また、実務レベルで営業社員のSFAツールへのデータ入力が徹底できているかチェックして、きちんと対応していない社員に注意することができるのも営業管理職です。

よって、営業部の管理職がきちんとSFAツールの定着のために業務を行うように気持ちをグリップするのが、SFA導入の際のポイントです

 

社員にとってSFAツールに入力するインセンティブはあるのか

もちろん、ただSFAツール導入の重要性を説くだけでは、社員は協力してくれません。社員は自分の業務と報酬ベースで行動しがちです。経営者にとっては営業の数値管理を行うことはメリットですが、残念ながら管理される側の社員にとってはあまりそのメリットはありません。きちんと社員がSFAツールに入力するインセンティブを与える必要があります。

インセンティブは具体的には人事評価制度になることが多いです。営業社員はきちんとSFAツールに情報を入力しているのかということを人事評価の項目にする、管理職は更にチームのSFAツールへの情報入力率によって評価するというのがオードソックスな方法です。

また、勤怠管理やコミュニケーションツールとしてSFAを活用することによって、SFAツールを利用する環境を作っておくという手法も存在します。

いずれにしても、社員は業務の変化を嫌うものなので、ただの業務命令というだけでは消極的に反対される可能性があります。どうすれば社員に協力してもらえるか考えてください。

 

ただ業務を増やすだけにしていないか

次に、ただ業務を増やすだけになっていないかということに注意してください。事務作業は営業社員の生産性を下げます。

例えば、日中は外回りに行っていて定時を過ぎて営業が会社に戻ってから日報などを書いていて、営業部の残業が常態化しているという企業も多いのではないでしょうか。

逆に、営業社員に事務作業をさせるために日中のアポイントが取れる時間帯に営業社員の事務作業時間を設けている会社も存在するかもしれませんが、営業が事務作業ばかりしていれば、営業の機会損失が発生してしまいます。

SFAツールを導入することによって、単純に新たにデータ入力の作業が増えるだけならば、現場の営業社員が反発する可能性が高いですし、会社の営業生産性も落ちてしまいます。

SFAツールを導入するのならば、データ入力に代わりに減らす業務も考えるようにしてください。例えば、上司の口頭での営業報告や日報などはSFAツールを導入すればいちいち作成する必要もなくなりますし、案件管理表をエクセルやスプレッドシートで管理している場合はその入力も必要なくなるはずです。

営業社員の生産性を落とさないために、必ず無駄な業務の削減とセットでSFAツールは導入してください。

 

営業現場で有効活用できているか

また、せっかくSFAツールを導入したのに、ただ経営者が経営状況をチェックするためだけのツールになってしまっては意味がありません。現場の営業社員がSFAツールを使って業務効率や営業成績を高めてこそ、社員は納得感を持ってツールを使いますし、定着しやすくなります。

SFAツールを営業部の遠隔コミュニケーションや営業会議などに使用して、きちんと現場の業務の中にSFAツールが必要になるように業務内容を見直す必要があります。

業務の中で自然とSFAツールが利用されるようになれば、社員もその重要性を認識し、自然と営業社員がSFAツールを使用するようになります。

 

営業チームのリテラシーを高める

もちろん、SFAツールとマニュアルを営業に渡して、「さぁ使ってください」では営業社員はSFAツールを上手く使いこなせません。更に、はじめに使い方研修を行って、操作方法は教えたので後は営業部でうまく活用してくださいでも上手くいきません。

SFAツールの項目をカスタマイズしたり、データ抽出や表やグラフを作りだせるようになるためには一定以上のITリテラシーが必要で、一度教えただけでは理解できませんし、使っていくにつれてより新しい機能について知りたいと思うはずです。

よって、SFAツールに使用に関して、システム部などのITリテラシーが高い部署か営業部の中にシステム担当の社員を配置して継続的にフォローする必要があります

 

おわりに

SFAシステム導入のために必要なことが明確になったと思います。重要なことは、目的を明確にし、計画を導入前後にしっかりとたて、現場社員の理解を深め、フォローするということです。

SFAシステム導入の失敗要因知り、リスクを的確に回避しSFAシステムのメリットを最大限に享受しましょう。

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