組織化

「組織化」のコツ―人材育成と評価の事例

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企業風土や社員のニーズ・カラーに合った人材育成制度を実践することで、人材と企業、両方の成長が得られます。今回は成功事例と失敗事例を比べ、人材育成における重要ポイントを検証していきます。

成功事例

まずは企業が実際に実践して、成功した事例から紹介します。

①カネボウ化粧品ー社員と会社、win-winな教育制度ー

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「自由と自己責任」の原則に基づく自律した人材を目指し、チャレンジングな目標に果敢に挑戦する人材の育成に取り組む、というのがカネボウ化粧品の人材育成方針だそうです。そして、経営理念のキーワードは「成長」です。化粧品に保証書は付いていないため、接客担当者が保証者となるわけです。お客様に満足を提供し続けるためには、接客担当者をはじめとした全従業員が常に勉強を続け「成長し続ける企業」を目指さなければならないと考えているそうです。

会社としては、将来的に活躍できそうな人材に対して投資していきたいと考えますが、社員は会社に貢献したいという気持ちの他に、このフィールドで自身の成長と自己実現を達成したいと、カネボウは考えているそうです。会社にとっても、社員にとってもwin-winな関係であるために、どちらかの利益や成果だけを優先されるのではなく、社員一人ひとりの成長とともに組織も成長しようという考え方が重要です。すべての従業員が日々成長することで、結果的に企業も成長していけるのです。

つまり組織が成長するには、社員のキャリアにおける希望を取り入れる必要があるのです。個人のキャリアも加味しないと、個人は組織に依存し、主体性に欠ける人材になる一方、組織は有能な人材を育成できず、組織力を向上させることはできないでしょう。個人のキャリアマネジメントをいかに進めるか、これが人材育成の重要なキーワードとなります。会社がそのサポートを大いにすることが、会社の成長という結果になって返ってくるのです。

②JALーモチベーションの根源を明確にするー

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JALでは社員にアンケートをとったところ、「責任を持って仕事をしたいのに、自身の存在意義が感じられない」と言ったモチベーションに関するマイナス意見がまずあがったそうです。
その一方、コミュニケーションに関するプラスの意見が寄せられました。具体的に「目標となるような社員が講師をすれば刺激にもなる」、「同じ研修を受けた仲間が他にもいれば、熱い思いを共有して頑張れる」といったものです。この結果を受けて、モチベーションとコミュニケーションにフォーカスした人材育成をしようということになったそうです。

モチベーションの源泉となるのは、成功できた時に感じる「次もまたできる!」という感覚や、仲間が成功している姿を間近で見て「自分もできる」という感覚です。また裁量や責任が大きな仕事を任せられることで、人は自身の存在意義を見いだすことができ、「自分が頑張らなくては!」と気合を入れて仕事に取り組めます。他にも、周りから「君ならできる」と言ってもらったり、心身ともに健康であることで、本人が「やれそうな気がする」という感覚を持つことができ、モチベーションの向上をバックアップします。

失敗事例

今度は反対に、失敗事例を紹介します。

①マクドナルドー若手が育成されないー

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成果主義型の人事評価制度を導入すると、有能な若手のスキルが発揮されやすく、それに見合った報酬も与えられます。その結果、ますます年齢に関係なく仕事を頑張ろうとする、という好循環を生み出せます。マクドナルドはこれを狙ったものの、実際は、経験豊かなベテラン社員が自身の成果をあげることを優先してしまい、若手社員の育成が疎かになってしまったそうです。有能な従業員のノウハウやスキルを若手が教わり、ベテランと同じくらい仕事ができる若手が増えることで会社も成長していくのに、会社を構成する人が育たないと会社の成長は止まってしまいます。
成果主義の特徴は、結果が全てです。そのため、社員同士はただでさえライバルなのに、さらに対抗意識が強まり、チーム内の協力関係がなくなってしまいます。チーム単位でのプロジェクトが多く、社員同士のつながりが密接な日系企業で必要不可欠なチームワークを失ってしまう恐れの多い評価制度と言えます。時代が変わりつつあって個人の能力がより評価されるようになってきましたが、本当に自社に合う評価制度なのか、よく見極めてから実行したほうがいいでしょう。

モチベーションを逆に下げてしまうフィードバック

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部下を思っているつもりでも、一言多い、ないしは足りない、フィードバックに失敗している例がよくあります。例えば、その人が中心となって仕上げた資料を褒める際、「資料良かったよ。実作業が間に合ったのは、チームのみんなのおかげだろう。みんなにも感謝しておくように」といった表現です。上司側からすると、周りも一緒に評価しているつもりでも、部下一人に言っているのであれば、後半は余計かもしれません。「君の成果のおかげ」ということを伝えることが大切です。

他にも、「この資料の2~3ページが分かりにくい。やり直して」と言葉足らずなフィードバックなども、具体的な指示が部下からするとわからないため、モチベーションを下げてしまいます。このようなフィードバックが続くと、部下が「いかに自分の能力を最大限に発揮するか」というより、「いかに上司の機嫌を損ねないような仕事をするか」というマインドになってしまいます。

フィードバックの際に信頼関係を失わないためには、事実を元にして、できるだけ具体的な言葉でアドバイスする、ということです。この考え方を元に、上記の例を少し変えてみましょう。
その人が中心となって仕上げた資料を褒める際には、「資料良かったよ。チームのみんなも残って頑張っていたけど、君がいつもまとめていたね。ありがとう。」と、その部下が主体のアドバイスをします。資料のやり直しを求める際には、「この資料の2~3ページが専門的すぎて分かりにくいので、初心者でも分かるような文と内容で書きなおして」と具体的に指示しましょう。
どこがどう分かりにくいか伝えれば、直す方もやりやすいですし、もう一度チェックする側としても楽ですよね。
そもそもフィードバックの目的は、より仕事のクオリティを高めることです。ここで部下との信頼関係を失うどころか、より結束力を強めるために、お互いに気持ちの良いフィードバックを心がけましょう。

まとめ

今回は人材育成や人事評価制度の、成功事例と失敗事例を挙げました。社員も会社も、共に成長していけるサイクルを目指すのが、結果的に組織力の向上に繋がるのが分かりました。またコミュニケーション1つで、良くも悪くも人材は変わることものです。ここで紹介したノウハウと、基本のコミュニケーションの両方を実践して組織力を高めていくと良いでしょう。

→次の記事へ「5.「組織化」を実現するために、社員を正しく評価する3つのメソッド」

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